Blink.

こんにちは、はじめまして。

『カムカムエヴリバディ』に思うこと。

親子3世代 100年の物語をテーマにした朝ドラ
『カムカムエヴリバディ』が先週4月8日に
最終回を迎えた。
新しい朝ドラが始まって一週間経ったわけだが
私はまだカムカム余韻の中にいる。

今まで見た朝ドラで好きな作品はいくつかあるが
その中でも『カーネーション』と
ちりとてちん』は別格で、
カムカムは『ちりとてちん』を手掛けた、
藤本有紀さんの2作目の朝ドラ。

あのちりとてを手掛けた藤本さん、
と聞いただけで期待値が爆上がりだったわけだが
最後まで密で濃厚な人間ドラマを見せていただき
本当に充実していた。楽しかった。
本当にそう思える作品に出会えることって
稀少なのだ。

 

このドラマを見ていると、
ちりとての時と同じ感覚を抱くことが多くて
よく思い出していた。

どちらのドラマも出てくる人たちがね、
みんなすごく愛おしい。
それぞれがそれぞれの歪さを持ってるんだけど
お互いが作用しあって、その角を補って
表面の粗い一つの大きな丸を
少しずつ形成していくような。
そして私はその人たちの人生を
ずっとそばで見てきた感覚で
いつの間にか他人とは思えなくなっている。
ドラマなのにね、不思議だよね。
だから一緒に笑うし、一緒に涙が出ちゃう。


藤本先生が描く人の繋がりが好き。
縦、横、斜めにも糸をめぐらした、
ぎゅっと目の詰まった織物みたい。
私の人生もきっとこうなのだと思う。

意識のないところで、
いろんなモノといろんな人と
重なり合って、すれ違って、
いつの間にかその端っこが頬をかすめてて

まだ気付いていない何かの縁が
視界の隅に存在してたりするのかもしれない。

そうやって私もいろんな人の人生の
間を縫うように生きているんだろう。

私の人生だけど、私だけの人生じゃないなと。
当たり前か。笑

 

でもそんなふうに気付きがあったり
自分の家族や周りに思いを馳せてみたり
足下を振り返らせてくれる藤本先生の作品が好き。
そして完走した時の充実感。
素敵な作品を本当にありがとう。

最後に。一つ紹介したい曲が。
ドラマの中で重要な役割を持ったジャズの名曲
「On The Sunny Side Of The Street」。
「日なたの道を行けばきっと人生は輝く」、
その言葉通りのエンディングで
ストーリーのテーマを表した曲だった。

この曲を聴くたびに思い出してた別の曲がある。
「Pennies From Heaven」。

www.youtube.com

曲の歌詞が素晴らしくて。

タイトルはそのまま慣用句として
「思わぬ幸運」とか「棚ぼた」的な
意味合いで使われることもある?らしい。
あとは「天の恵み」とか?

でも私としては少し違う印象を受ける。
これはサニーサイドと真逆の位置からの
人生讃歌なんじゃないかと。

歌詞の好きな部分。

Trade them for a package of
Sunshine and flowers.
If you want the things you love,
You must have showers.
So when you hear it thunder, don't run under a tree.
There'll be pennies from heaven for you and me.


いい日ばかりが続くわけじゃない。
摘み取ったものを
手放さなきゃならない時もある。
雨に降られる日もある。
でも、つらい日々もムダじゃないよ。
いつかそれが君の糧になる。
だから恐れずに踏み出してみよう。
きっとそれは私たちに幸運を降らせる雨だから。

みたいに思えませんか?
めちゃめちゃ私的な意訳で恐縮ですが。

太陽も雨も人生にはどちらも必要だから、
だからこそ人生って成り立っていくものなのかも。
対極にある両曲から感じたことは、
やっぱり「Life can be so sweet」!

ジャズスタンダードってこういう
「生きるっていいなあ」と思える曲が多くて
しみじみ良いですね。。
雨の日も晴れの日も
「Life can be so sweet」と思える日々を
過ごしていきたい。


素晴らしい余韻を残してくれたカムカム。
心に残る作品がひとつ増えて嬉しい。
改めて藤本先生をはじめとする、
全演者・スタッフに感謝したい…
見直したいと思う日が、きっと来るはず。
その時まで。一旦さようなら。
ありがとう、カムカム。